「機能営業」から「課題解決営業」へ:B2Bセールスで成果を出すための本質的アプローチ
「機能営業」から「課題解決営業」へ:B2Bセールスで成果を出すための本質的アプローチ
2024年のB2B営業現場では、従来型の「機能営業」から脱却し、「課題解決型営業」へのシフトが急務となっています。当社が実施した営業組織の実態調査では、新規案件の獲得に苦戦する企業が全体の67%に上り、その主な原因として「製品機能の説明に終始する営業スタイル」が挙げられています。
なぜ機能営業では成果が出にくいのでしょうか。その理由は、顧客企業が抱える課題の複雑化にあります。例えば、製造業のお客様であれば、単なる生産性向上だけでなく、人手不足対策やカーボンニュートラルへの対応など、複数の課題が絡み合っているケースがほとんどです。このような状況下では、製品機能の説明だけでは顧客の心に響きません。
課題解決型営業への転換において重要なのは、顧客との対話の質を変えることです。「御社の課題は何ですか?」という直接的な質問ではなく、「日々の業務の中で、特に時間がかかっている作業は何でしょうか?」「今後3年間で達成したい目標は?」といった質問を通じて、顧客自身も明確に認識していない潜在的な課題を掘り起こしていきます。
当社のコンサルティング実績では、この手法を導入した企業の商談成約率が平均で1.8倍に向上しています。特筆すべきは、値引き要請への対応です。機能営業では競合との機能比較になりやすく、価格競争に陥りがちです。一方、課題解決型アプローチでは、提案する解決策がもたらす具体的な効果(例:工数削減による年間コスト削減額)を示すことで、適正な価格での受注が可能になります。
実際の成功事例として、ある製造業向けソフトウェア企業では、営業チームが顧客の業務プロセス全体を理解することに注力し、その結果、受注単価が従来比で30%向上しました。これは、単なる業務効率化ツールではなく、経営課題を解決するソリューションとして提案できたためです。
2024年以降、AIやデジタル技術の進展により、単純な情報提供や製品説明の役割は自動化されていくでしょう。しかし、顧客の複雑な課題を理解し、最適なソリューションを提案できる営業パーソンの価値は、むしろ高まっていくと考えられます。
課題解決型営業への転換は、一朝一夕には実現できません。まずは、次回の商談で「製品説明の時間」を3割削減し、その分を顧客との対話に充てることから始めてみてください。顧客の業務プロセスを理解し、その中での課題を特定することで、従来とは異なる提案が可能になるはずです。
デジタル化が進む現代だからこそ、人的営業の真価が問われています。製品機能の説明者から、顧客の課題解決パートナーへ。その転換が、これからのB2B営業に求められる本質的な変革なのです。
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